【食器用洗剤】ドラッグストアで買える「環境に優しい洗剤は本当にエコなの?エコストアと比較!

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最近では環境にやさしい食器用洗剤がドラッグストアでお手頃な値段で買えるようになってきました。

エコストアなどの環境に配慮した製品を専門としたブランドがある中で、ドラッグストアで買える洗剤はどこまで環境にやさしいのか?そもそも本当に環境にいいの?

という疑問を検証するために、実際にドラッグストアで購入できる洗剤たちとエコストアの商品と比較してみました!

エコストアとは?

ニュージーランドNo.1サスティナブルブランドエコストア

エコストア

1993年にニュージーランドで生まれた有害/不要な化学物質を一切使わないクリーニング・ボディケア製品を製造しているブランド。

動物実験、遺伝子組み換えいずれも行わず、製品の容器もリサイクルされたものを使用しています。

人にも環境にもやさしいエコストアより)

今回はエコストアの商品と、薬局でも買えるリーズナブルな「環境にやさしい洗剤」の成分を比較していきます。

環境にやさしい洗剤と一般的な洗剤はなにが違う??

一般的な洗剤の多くは石油をもとに作られた成分が入っており、洗浄力が高く、原材料が安いためドラッグストアでも安価に手に入ることが特徴です。

しかし、石油系の成分は生分解*(*微生物などによって分解され、自然に戻ることされにくいため、水の中に環境に悪影響な成分が残留してしまいます。

それに対し、「環境にやさしい」といわれる自然派の食器用洗剤は生分解されやすい天然由来の油(パーム油など)を使っているため環境に優しく、さらに手肌にもやさしいものが多いです。

しかし、石油系の成分が入っていないからといって100%環境に優しいとは限らないのです。

具体的にどんな洗剤がエコなの?

みなさんは今使っている食器用洗剤が液性どんな界面活性剤を使っているかはご存知ですか?

そんな環境や人の肌へ特に影響がある『液性』『界面活性剤』についてお話ししていきます。

液性

液性とは液体が酸性またはアルカリ性のどちらかであること。

人間の肌は弱酸性なので、基本的には弱酸性の洗剤の方が肌荒れは起きにくいです。

アルカリ性のみならず、強すぎる酸性も肌荒れを引きを越す原因となります。

水への影響としては、川によっては周辺環境の影響によって弱酸性から弱アルカリ性まであるため、一概にどれが良いとは言えないところもあります

弱酸性シャンプーが頭皮にやさしい、という言葉はなんとなく聞いたことがある方も多いのでは?

次に界面活性剤についてです。

界面活性剤

界面活性剤とは、本来混ざりにくい油分と水分が混ざりやすいようにする役割をしています。

これが衣類やお皿についた汚れを浮かし水で流しやすくするため、界面活性剤がたくさん入っている洗剤であればあるほど洗浄力が強いということになります。

界面活性剤は天然のものもありますが、多くは『合成界面活性剤』と呼ばれ、人工的に作られたものです。

合成界面活性剤は肌へ悪影響とされており、洗剤を使ったときに肌荒れを起こす主な原因となっています。

さらに、合成界面活性剤は本来は自然界に存在しないものなので生分解されにくく、水の中に残ってしまうことがほとんどです。

界面活性剤の含有量(%)の数字が多ければ多いほど洗浄力が高くなりますが、反対に環境へは悪影響になる。。洗浄力と環境への影響は反比例してしまう関係性があるのです。

それでは実際にエコストアの食器用洗剤の成分をみていきましょう!

実際の商品比較!

エコストア『ディッシュウォッシュリキッド』
液性:弱酸性
界面活性剤20%(アルキルグリコシド、アルキル硫黄エステルナトリウム、アルキルオミンオキシド)

弱酸性なのでお肌にはやさしいです。

ディッシュウォッシュリキッドに入っている界面活性剤は3種類。入っている量が多いものから順に表示されているため、アルキルグリコシドが1番多く含まれています。

アルキルグリコシド

肌への刺激性は少なく、水性環境に対しても適合性が高い。

そのため、環境への影響が少ない界面活性剤として注目されている。

次に多いのはアルキル硫黄エステルナトリウム(以下AS)。

アルキル硫黄エステルナトリウムナトリウム(AS)

ASは硫黄を基盤としているため、自然界には有害な物質です。

しかしASは硫黄を使った界面活性剤の中では石鹸の次に生分解性が高く、過剰な量を使用しなければ有害性は低いとされています。

ディッシュウォッシュリキッドは界面活性剤が20%とやや高い数値ではありますが、使用されている界面活性剤の種類は環境への影響力が低いものとなっています。

それではドラッグストアで買えるエコ洗剤の成分をみていきましょう。

ドラッグストアで買える環境に優しい洗剤

SARAYA『ヤシノミ洗剤』
画像引用:https://www.yashinomi.jp/
液性:中性
人工界面活性剤16%(アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)

環境に優しい洗剤としてヤシノミ洗剤は1番と言っていいほど知名度が高く、多くのドラッグストアで見つけることができます。

実際に使用している人も多いのではないでしょうか。

特徴・エコなポイント
  • 石油系成分不使用、植物原料・ヤシの油を使用
  • 合成香料・着色料不使用
  • 売上の1%をマレーシア・ボルネオ島の環境保全活動へ使用

ヤシノミの絵柄デザインが可愛くて、キッチンを華やかにしてくれますね。

いろんなドラッグストアで購入できるのもメリットで、探さなくてもゲットできるため便利。

しかしヤシノミ洗剤にもデメリットがあります。

デメリット
  • 有害性の高いアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムを使用している(16%)
  • 石油系から作られる食器用洗剤と比べ、泡立ちの持続力や洗浄力に劣る
  • 泡立ちを求めてたくさんの量の洗剤を使用してしまう

ヤシノミ洗剤に含まれる「アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム」は第1種指定化学物質として指定されているものの一つ。

第1種指定化学物質とは?

人の健康や生態系への有害性があるとされる化学物質のことであり、それらを産業として使用する場合は排出量やその物質を含む廃棄物などの移動量などを国に申告しないといけない制度があります。

情報源:経済産業省

※アルキルエーテル硫酸エステルナトリウムは第1種化学物質リストには「ポリ(オキシエチレン)」という名称で載っています。↓

アルキルエーテル硫酸エステルナトリウムは有害性があるとされているにも関わらず、多くの「環境に優しい」とされる食器用洗剤に使用されています。

旭化成『フロッシュ』
画像引用:https://frosch.de/
液性:弱酸性
界面活性剤9%(アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)

ドイツ生まれのサステイナブルハウスケアブランド、フロッシュは動物実験を一切行っていません

容器もリサイクルのボトルを使う徹底っぷり。そんなフロッシュも多くのドラッグストアで見つけることができます。

さらに弱酸性なので肌荒れが起きにくいと言うメリットがあります。

特徴・エコなポイント
  • 植物由来の成分使用、一切の動物性成分を使用していない
  • 100%リサイクルのプラスチックボトルを使用
  • つけ置き洗いにて、少量の洗剤で食器を洗える
  • 動物実験を行っていない
  • 弱酸性なので肌に優しい

洗浄力は、ヤシノミ洗剤よりも界面活性剤の濃度が少ないのにもかかわらず、そこまで大きく差はないように感じます。

溜めてある水に数滴フロッシュの洗剤を垂らし、そこにお皿をしばらく入れておくという「つけ置き洗い」がフロッシュの本来の使い方のようです。

しかし油汚れは紙などで拭き取ってからつけ置きしないと、他の食器に油が移ってしまうので注意です。

デメリット
  • 有害性の高いアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムを使用している(9%)
  • 石油系から作られる食器用洗剤と比べ、泡立ちの持続力や洗浄力に劣る
  • 油ものを洗うときはすぐに泡立たなくなる

デメリットに挙げられる項目はヤシノミ洗剤とおおむね変わらないですね。

SARAYA『ハッピーエレファント』
画像引用:https://www.happyelephant.jp/
液性:中性
界面活性剤11%(アルキルポリグリコシド、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、ソホロースリピッド)

こちらはヤシノミ洗剤と同じメーカー、SARAYAから出ている商品なのですが、ヤシノミ洗剤とは一味違ってさらに環境に優しい仕様となっています。

ソホロースリピッドという、パーム油と糖を天然酵母ともに発酵させてできた天然の界面活性剤を使用しており、さらに生分解されやすくなったとのこと。(しかし、しっかりアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムも含んでいますので、100%エコ、というわけではありません。)

特徴・エコなポイント
  • 100%天然由来成分から作られる(合成界面活性剤を除く)
  • 天然成分からできた天然界面活性剤・ソホローススリピッドを使用
  • 売上の1%をマレーシア・ボルネオ島の環境保全活動へ使用

柑橘系の匂いが好きな方にはおすすめです。

デメリット
  • 有害性の高いアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムを使用している(配分は少ない)
  • 石油系から作られる食器用洗剤と比べ、泡立ちの持続力や洗浄力に劣る
  • 販売しているお店が他のものと比べて少ない

ヤシノミ洗剤が人気すぎるせいか、あまり店頭で見かけないことが他の商品に劣るところです。

リピートして使いたい場合も、店頭だとなかなか買えないことも多いです。なのでネットで購入することをおすすめします。

公式HPは5,000円以上購入しないと送料がかかるのでAmazonから↓(プライム会員なら一つからでも送料無料)

野菜・食器用洗剤 リフレッシュ 本体 300ml
MIYOSHI『食器洗いせっけん』
画像引用:https://miyoshisoap.co.jp/
液性:弱アルカリ性
純石けん分(28%脂肪酸カリウム)

ミヨシの食器洗いせっけんはなたね油パーム油を原料とした石鹸からできています。

せっけんは合成界面活性剤よりも生分解されやすいと言われています。

しかしたくさん使いすぎてしまうと、多くの石鹸が水の中に放出してしまうこととなり、微生物の栄養が過多になるというリスクもあるため、やはり必要以上の使い過ぎには注意が必要です。

特徴・エコなポイント
  • なたね油、パーム油由来の石鹸で、生分解されやすい
  • CO2削減に効果があると言われているサトウキビ由来のバイオマス容器を使用
  • 添加物を一切使用していない
  • 森林環境保全や海洋プラスチックのゴミ問題、パーム油の需要拡大による熱帯雨林伐採などの問題についても各取り組みを行い、各認証をえている
  • 無添加の割には洗浄力は高い方
デメリット
  • 弱アルカリ性で肌荒れに効果的とはいえない
  • 水切れが他の洗剤より少し悪い

「環境にやさしい」洗剤たちの正体

ドラッグストアで『環境にやさしい』といわれている食器用洗剤も、多くは合成界面活性剤を使用しています。

なので、「天然成分100%」と書かれていても、原材料名に「合成界面活性剤」と書かれているものは、石油系の原料から作られたものではない界面活性剤であったとしても、人工的に作られた合成界面活性剤が入っているという事実には変わりがないのです。

なので、天然素材と書いてあるからと言って必要以上に洗剤をたくさん使ったりしてしまうと、それはエコではなくむしろ環境破壊につながってしまいます。

結局どれがエコ??

今回ご紹介した中では、使用感を含めた総合点で言うとエコストアのディッシュウォッシュリキッドが1番良く感じました。

ドラッグストアで買えるエコ洗剤の中では、

環境だけに注目していうなら、ミヨシの『食器洗いせっけん』手肌に注目していうならば、旭化成の『フロッシュ』が1番良かったです。

ですが、やはり洗浄力もありながら肌にも優しく、環境にもやさしいエコストアの商品はまちがいないですね!

洗浄力でいえばエコストアはフロッシュに劣るという意見もありましたが、正直トントンだと感じました。

油汚れは以下の手順で洗うと、エコな洗剤でも十分に満足して洗うことができます。

  • 専用のスポンジで洗剤をつけずに水またはお湯で洗ってから洗剤をつける
  • またはキッチンペーパーで拭いてから洗剤で洗う

汚れが落ちやすいのに洗剤の使用量を抑えられるし、スポンジが油でギトギトになって洗剤が余計に泡立たなくなる現象を減らすことができます。

エコな洗剤とともにぜひお試しください^^

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